平元 奈津子

プロフィール

広島国際大学総合リハビリテーション学部リハビリテーション学科講師として妊産婦の身体症状に関する研究やウィメンズヘルスにおける理学療法に関する研究に取り組まれている。ウィメンズヘルス理学療法研究会世話人,(公社)日本理学療法士協会「ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法部門」運営幹事でも講師としてご活躍されている。

【所属】広島国際大学総合リハビリテーション学部リハビリテーション学科 講師
【学位・資格】博士(医療工学)・理学療法士・アロマコーディネーター
【専門分野】ウィメンズヘルス理学療法、運動器疾患理学療法学
【所属学会】日本理学療法士協会、日本母性衛生学会
【著書】ウィメンズヘルスリハビリテーション (共著,編集者) メジカルビュー社 2014
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ウィメンズヘルスリハビリテーション (共著,編集者) メジカルビュー社 2014

【論文】
・妊婦に対する理学療法.理学療法学41(8):165-169,2014
・成人期にみられる男女の身体変化と症状:妊娠出産と男女の更年期.理学療法学41(8):511-555,2014
・Spinal curvature and characteristics of postural change in pregnant
women. Acta Obstetricia et Gynecologica Scandinavica 91(7):856-61,2012
・主成分分析を用いた妊婦の姿勢分類の有用性–妊婦の姿勢変化と身体症状の関係性に関する基礎調査.医療工学雑誌(5):1-8, 2011
・産後の身体のマイナートラブルに対する理学療法.医療工学雑誌(4):1-7, 2010
【講演】
・女性に対する理学療法~妊娠中,産後,更年期の女性に対して~[第20回広島県理学療法士学会,2015]
・男性・女性のからだの変化を知ろう[第49回日本理学療法学術大会,2014]
【学会発表】
・妊婦の身体症状と姿勢の特徴―初妊婦と経産婦の比較―.第50回日本理学療法士学術大会,2015
・Pelvic girdle pain in Japanese postpartum women. 40th Annual Meeting, IUGA; international urogynecological association, 2015, Nice, France.
・主成分分析による妊婦の姿勢と身体症状の関係についての研究.第48回日本理学療法学術大会,2013
・妊婦の姿勢評価 非妊娠女性との比較.第47回日本理学療法学術大会,2012年
・妊婦の姿勢評価とマイナートラブルとの関係.第53回日本母性衛生学会総会,2012年
・産前産後の姿勢変化とマイナートラブルに関する研究.第43回日本理学療法学術大会,2008年

講演内容

「妊娠期~産後における理学療法アプローチ」

 女性は思春期から老年期まで,そのライフステージに応じたホルモンの影響を受け,様々な身体の変化を経験する.このうち20〜30代の成熟期では,妊娠と出産に伴い,女性の身体は外見も生理機能面も約40週という短期間に劇的に変化する.妊娠中は,大きくなる腹部を支持するために姿勢が変化したり,それに伴う筋骨格系の変化が生じたりする.これらの変化は出産を経て,産後約6ヶ月で妊娠前の状態に身体機能が戻るといわれる.
妊産婦に多い身体的問題のうち,特に腰痛は妊婦の約50~70%,骨盤帯痛は約20~40%が経験すると言われ,軽視できない罹患率である上,妊娠中に生じた腰痛や骨盤帯痛は産後も継続し慢性化することがある.また,分娩時に生じた骨盤底筋の機能障害やそれに伴い尿失禁を有することがある.産後の女性では,新たな慣れない育児動作による身体的負担だけでなく,育児や環境の変化による精神的な負担も大きい.妊娠中に生じた腰痛や骨盤痛は産後も継続し,慢性化すると言われ,決して軽視すべき症状ではない.
諸外国では,このような女性に対する理学療法,ウィメンズヘルス理学療法が専門分野として成立している.妊娠・出産や更年期に生じる腰痛,骨盤帯痛,尿失禁などに対して,理学療法士が症状の改善や予防,適切な治療介入を行っている.日本ではまだこの分野では発展途上だが,2015年に日本理学療法士学会にウィメンズヘルス・メンズヘルス部門が新設され,関心が高まっていることがうかがえる.今後,より多くの理学療法士がこの分野に携わり,地域の妊産婦に貢献できることを願う.

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