古賀 ひとみ

2017年大阪大会講演テーマ『赤ちゃんの正常な発達を促すケア
-理学療法的アプローチがもたらすもの-』

助産師として、乳幼児健診や新生児訪問・産前産後ケアの現場で、多くの母子に関わる活動をしています。そんな中、向きぐせや反り返りが強い・片足でのずり這いやハイハイなど、動きや姿勢が気になる乳幼児に、本当にたくさん出会います。そのような赤ちゃんは、夜泣きや抱っこしにくい・授乳がうまくいかないなど、なんでもない日常のことが、母親にとって大変なことになってしまいます。 誰にも理解してもらえず一人で悩んでいる母親も多いのが現状です。
発達のつまずきは、体の使いにくさ・作業の非効率・転倒など「生きにくさ」につながります。それらを予防するためには、新生児期からそれぞれに適したケアが重要です。乳幼児の発育・発達と、発達の基礎である原始反射の残存と姿勢反射の獲得状況を理解する必要があります。

背中ぐにゃ・お口ぽかん・歯並びが悪い・すぐ疲れる・転ぶとき手が出せず顔を怪我する・スキップできない など、子どもたちの身体の「おかしさ」が危惧されています。子どもたちを取り巻く便利 すぎる環境では、日常生活の中で必要な体力や適切な身体の使い方が養われにくいのも現状です。どうして上手く字が書けないのか、姿勢保持できないのか、ボール遊びが苦手なのか、大人の無理解に傷つき、理解してもらえず孤独になったり強く自己評価を下げたり、からかいの対象になれば不登校の原因にもなります。

また、胎児期の適切な子宮内環境の獲得のためには、母親である女性の身体づくりが必須なのは言うまでもありません。育児は、母親だけ、また赤ちゃんだけではなく、母子の相互作用によって成り立ちます。母親だけのケアをしても、赤ちゃんのこと抜きにしては根本的な解決にはならないのです。「赤ちゃんの育つ力」・「お母さんの育む力」を最大限に発揮できるよう、赤ちゃんの正常な発達と、それを促し、いい姿勢に導くためのケアをお伝えします。

1ヶ月健診の際、理学療法士によるケアが実施されている産科・「0歳からの口腔育成」を目標に母親学級や赤ちゃんの発育発達を促す指導がなされている歯科などもありますが、まだまだ少ないのも現実です。お互いの専門性を持ちより統合的にサポートできることを願っています。

プロフィール

九州大学医療技術短期大学部助産学特別専攻科卒。助産師として産科に勤務後、
市の事業である「乳幼児検診」「新生児訪問」に携わる中、産後支援の重要性を実感。
2000年に産科クリニックに母乳外来を新設し、
自身でも2008年「Lactea~ラクテア」(無床助産院)を開設。
産前・産後を中心に赤ちゃんから80歳過ぎまで女性の一生を通して寄り添う活動をしている。

【資格】
助産師  
BSケア(乳房ケア)ベーシック・アドバンスコース修了
九州看護福祉 大学 吉田勇一 専任講師(小児理学療法・人間発達学)に師事 
きらくかん(奥谷まゆみ)産前・産後コース修了
リンパデトックス・リリース療法セラピスト

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