田口 順子

2017年東京・福岡大会講演テーマ『産前産後のリハビリテーション』

【座学編】
理学療法士養成校教育のカリキュラムの中にいまだ産科理学療法の必須科目が確立されていません。
妊産婦体操の始まりは、英国の理学療法士Helen Heardmanによって1959年に体系づけられました。その後、1969年,Maria Ebnerによって産科理学療法の教科書が出版されたのですが、それから60年近
く経ったわが国の理学療法士が卒前教育として産科理学療法を必須教科として学ぶ機会はありません。
妊産婦に対するリハビリテーションの有効性はすでにエビデンスとして認められています。
1)妊娠中の運動がスムースな分娩や産後の回復に寄与できる
2)妊娠中の姿勢の変化と歩行に関して適切な助言指導ができる
3)腰痛、骨盤帯痛に対して予防、治療ができる
4)産前産後を通して骨盤底筋群に対する予防的運動指導は産後のトラブルを減少させ
尿失禁の予防につながる
5)産前からの生活動作指導、運動指導は産後直後からの腹横筋収縮は腹直筋離開を予
防できる
6)産前産後のリハ的評価を行うことによって出産時の骨盤、股関節の可動性に合わせ
た最適な肢位をアシストす
ることができる
7)新生児にたいする授乳時の姿勢、育児動作の指導をする
指導できる役割は枚挙に暇がありませんが、医療スタッフとのチームワークが重要です

時間の許す限り具体的なお話しを進めたいと思います。
【実技編(東京大会のみ)】※受講には別途実技チケットの購入が必要です。
理想的なお産は技術が介入することのない「自然」事象が本来の姿ですが、妊婦のマイナートラブルに対していち早くリハ的アプローチを行い産前産後の早期回復の一助を担うのがリハスタッフの役割です。今回は産前産後の妊婦にとって動きの質とは何か、楽しめる範囲で動くこと、快適だと感じる楽な範囲で動くこと、動きの中で自分を感じ、胎児をイメージし、一体感を感じることを講義と実習の中から学び、気づいていくことを紹介させていただきたいと思います。

プロフィール

日本で初めての理学療法士。50年になるが 「生涯一理学療法士」をモットーに今も尚、現役で活躍している。

【所属】
・理学療法士、Ph.D
・上馬整形外科クリニック 老人施設コンサルタント
【出版書】
臨床運動学(医歯薬出版) 著
四肢麻痺と対麻痺のリハビリテーション(医学書院)訳
理学療法士のための運動療法(金原出版) 編著
CBR 地域に根ざしたリハビリテーション(明石書店)

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